全てを包んで
サラッと爆弾発言したなこの人。

「えっと、今の雅人さんの奥さんが課長に気があったんですか?」

「そうだ。」

これって私なんかが聞いちゃって良い話なのかな…。

「最初はそうだったかもしれないけど、今じゃ雅人にベタ惚れだろう。」

雅人さんにベタ惚れ…。
どんな女性なんだろう…。
すごい変わった方とか。

「おい。お前は考えが顔に出過ぎだ。秋夜、お前の女はもう少し教育した方が良いんじゃないのか?」

ヤバイ、顔に出てたらしい。

…っていうか私が課長の女って言った?

「いや、あのっ…」

違うんですと言おうとしていたら、

「雅人には言われたくないなぁ。」

「うるせぇよ。」

「本当に口が悪いな。嫁さんに嫌われるぞ。」

「余計なお世話だ。」

…あれ?
何か否定するタイミングを失ってしまった気が。

結局、大事なところを否定出来ないまま会話が進んでいってしまった。

流石に少し酔ってきたのか、頭がフワフワしている。
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