全てを包んで
告白
ケータイのアラームが遠くで鳴っている。

もう出勤の支度しないと…。

寝ぼけながらそう思って起き上がる。

ぼーっとた頭のまま、ふと自分の姿に気が付いた。

昨日と同じ服…。

えっと、昨日はお花見の後に課長と飲んでて、帰りにタクシーを拾ってもらって乗って…
その後の記憶が酷く曖昧だ。

とりあえず、アラームを止めなくちゃ。

まだまだ記憶の整理が付かない頭のまま、ベットから降りた。

リビングのバッグの中で鳴っているケータイ電話の元に向かおうと足を踏み出すと、

「おはよう。」

「…っ⁈」

そこには課長の姿。

「よく寝れたか?」

「……。」

驚き過ぎて声が出ない。

「今泉さん?」

「あっ、えっと、おはようございます。」

状況が飲み込めないまま、何とか挨拶をして頭を下げる。

「昨日は飲ませ過ぎて悪かったな。」

「え?…いえっ、私が調子に乗って飲み過ぎてしまったので…。」

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