全てを包んで
出社日
夢の様な告白から二日経った。

課長はあの後すぐに、休日返上で仕事をしに会社へ帰って行った。

「本当はこのままここに居たいんだけど、月曜までにどうしても片付けておかなくてはいけない仕事があるんだ。」

「昨日までに死ぬ気で終わらせておけば良かった。こんなに会社に行きたくないのは初めてだ」

そんなセリフを残して。

その後、しばらく放心状態で私が動けなかったのは言うまでもない。

月曜日の今日、あの日ぶりに課長に会社で会うのだけど、緊張のあまり挙動不審になりそう…。

いつもならアラームが鳴るまで目が覚めない私が、アラームの鳴る1時間以上も前に目が覚めてしまった。

時間が有り余った為、朝からシャワーを浴びて、いつもよりもメイクに時間をかけた。

気合いが入り過ぎてると思われないように、髪型はいつも通りにしてみたけど、時間をかけた割にはいつもと大差ない自分。

こんな些細な変化誰も気付かない気がする…。

いよいよ会社は目前。
緊張で心臓がバクバクいってきた。
これで、あれは夢オチとかそんな事はないよね⁈

もはや、情緒不安定に陥りながら他の社員と同じように会社の入り口に体を滑り込ませた。


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