さぼり男子とチョコと眼鏡と。〈BL〉
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「もう4限始まっちまう…。」
「販売の人気弁当が…。」
「それより飲み物もないんだぞ?」
早くもお腹が鳴りだす夏希。
このまま誰にも気付かれなかったら
どうすりゃいいんだ…。
消しゴム作戦が駄目となると…。
「次は紙飛行機かなぁ…。」
思考停止。
ちょっと昼寝でもしよう。
今朝よりも熱くなっている
コンクリートに寝転がった時だった。
「……なんか音しない?」
「はぁ?また?」
夏希に言われて、耳をすます。
…確かに、扉を叩くような音がする。
時間が止まってしまったかのように
扉をじっと見つめていたら、
そこに待ち望んでいた裕太の姿が…!
「翔ちゃん!なっちゃん!」
「ゆうううううう!!」
裕太を見るや否や、
思いきりダイブする夏希。
俺もそうしようと思ってたけ
先越されたから、なんかはしゃぎにくいな…。
「なっちゃん怪我してるし!」
「消しゴム投げるときに擦っただけ!」
夏希は落ちかけたことを口にしなかった。
裕太にバレれば、確実に怒られる。
「翔ちゃんは大丈夫?」
「喉乾いた。あと腹も減った…。」
一先ず、見つかるとまずい。
俺たち三人は屋上を後にした。
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