さぼり男子とチョコと眼鏡と。〈BL〉
場所は変わって、美術室。
4限の授業を知らせるチャイム。
さすが生徒会長さま。
馴れた手つきで夏希の手当てを済ませる。
「授業大丈夫なのかよ、お前…。」
「翔ちゃんは相変わらず無愛想だなぁ。」
「うるさい。成績に響かねーだろうな。」
「平気でしょ。会長ですから!」
得意気に言われるけど、
関連性があるのかはわからない。
ただ「サボり」であることには間違いない。
そのまま会話を終えて、
しばらく机に顔を伏せる。
案外、美術室って涼しいんだな。
静かにしていると
授業中の先生の声が聞こえる。
「青春って感じだね。」
「男子校だけどな。」
「翔ちゃんそんなに飢えてるの?」
「なんだよその言い方は。」
「翔、結構気にしてるよなー。」
そりゃ気にするだろ!
好きで男子校を選んだのは認めるが。
理由は何となく楽そうだから。
こいつらもいるしな。
でも青春の醍醐味である「恋愛」を
することが出来ないのは見落としていた。
「恋したいじゃん。お前らはどーなの?」
「そうだね、出来るならしたい。」
ほら見ろ。やっぱりそうだろ?
そりゃ、2年間周りを見てきたけどよ、
男子校に通いながらも、恋するやつはいたさ。
同性と、だけどな。
「前に竜輝が相談してきたじゃん。」
「隣の直弥とのこと?」
竜輝(タツキ)、とは同クラスの男子で、
隣のクラスの 直弥(ナオヤ)、に恋をしたと
相談してきたことがあった。
中学の頃から一緒のやつなんだが、
今までそんな素振り見せたことがなかったから
ひどく驚いたのを覚えている。
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