さぼり男子とチョコと眼鏡と。〈BL〉




あと1時間で帰れる。

それだけを考えて、
教室に荷物を取りに行く。

といっても、ペンケースと携帯、
あとは充電器しか入れてないけど。


「よーう、我が親友!」


空っぽのロッカーを漁っていると、
授業終わりの夏希が抱きついてくる。

昼のこともあって、
クラスメイトの視線が気になる。


「やーめーろ。」

「なんでよ!てか、6限は俺もさぼる!」

「じゃ、校門辺りで暇潰すか。」


夏希をひっぺがして、鞄を背負う。

廊下を歩いている途中、
何人か別クラスの担任とすれ違ったが
止められることはなかった。

玄関を出て、校門へ。
わかりきっていることだが、暑い。


「自販機の近くで涼む?」

「とりあえず日陰ならどこでもいい。」


自販機は中庭と学校の裏、
校門を出てすぐの所にある。

近くにあるコンビニや
本屋で涼んでもいいんだが。

一応、まだ学校は終わってないし
もろ制服で出歩くのは好ましくない。

しかめっ面の俺を見て、
夏希はここから一番近い裏校舎に
向かうべく歩き出した。



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