さぼり男子とチョコと眼鏡と。〈BL〉
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本日最後の授業が終わると、
みんなそれぞれの部活に散っていく。
校門で待っていると、
他の生徒に混じって裕太がやってきた。
「裕太、お疲れ。」
「おつー!」
「おまたせ。ありがとう。」
ハイタッチを交わし、最寄りの駅へ。
俺たち三人、降りる駅は同じだ。
電車通学は帰りが疲れる。
「あと少しだー!」
「なつも裕太もテンション高いな。」
「翔ちゃんは疲れた?」
「疲れた。ほぼ昼寝してたけど。」
俺の言葉に、笑う二人。
こいつら本当に元気だな。
ずっと一緒にいても飽きない。
人の多い電車の中で、
他校の女子生徒が乗ってくる。
すると。
「あ!琴音のお兄さんだ!」
「本当だ!」
「お菓子つくれるんだよね!」
「女子力男子!」
夏希を見て、ざわざわする女子たち。
中学生には見えないから、
琴音ちゃんの先輩にあたる人なのかも。
「なっちゃん人気!」
「お前、有名人とか聞いてねーぞ。」
「いやいや、大したことないよー。」
「やっぱり、チョコレート男子は違うな。」
話を聞くと、結構頻繁に
家に遊びに来る子たちらしい。
お菓子をつくるのが得意な子がいて、
琴音ちゃんが興味を持ったきっかけだって。
「そうそう、今度なつが
クッキーつくってくれるらしいぞ。」
「なら、遊びにいかなきゃだね。」
「いつでもいらっしゃい!」
「じゃ明日。」
「はや!大丈夫だけど!」
こうして急遽、明日遊びに行くことに。
ついでに勉強も見てもらう。
夏休みも近いし、今年は知恵熱が出そうだ…。
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