さぼり男子とチョコと眼鏡と。〈BL〉
あっという間に目的地。
雪崩のように乗客が降りていく。
その波に揉まれながら、ようやく駅を出る。
「まだ時間あるし、どっか寄る?」
「おっ、良いねー!」
「俺も賛成。」
裕太の提案で、ジャンクフード店に入る。
都内には良い店がたくさんあるのだが、
学生の財布に優しいのはココ。
「何食べる?頼んでくるよ。」
「さんきゅ。」
「俺はいつものでー!」
俺と夏希の注文を聞いて、
裕太はカウンターへ向かった。
夕方は人が多いから
空いてる机を探すのも苦労する。
しばらくさ迷ったところで、
夏希が窓際に空席を見つける。
「やっと見つけたー!」
「早く俺に飲み物を恵んでくれ…。」
周りの熱気と言うのだろうか、
人混みならではの暑さにやられる。
もっと人のいるショッピングモールなんて、
たまったもんじゃない。
あんな場所に長居できる
ママ友軍は心底すごいと思う。
「翔、またぼーっとしてる。」
「あー…なんでもない…。」
「五月病?七月病?」
「七月病ってなんだよ。」
「へへ!適当だぜ!」
くだらない会話で暇を潰す。
10分程度で、裕太が
トレーを二つ持って帰ってきた。
「ありがとー。」
「いえいえ。適当につまもう!」
立て替えた分のお金を徴収。
俺は真っ先にジュースを手に取る。
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