さぼり男子とチョコと眼鏡と。〈BL〉
「ただいま。」
「あら翔、おかえりなさい。」
玄関を入ると、母さんが
にんじん片手にやってきた。
ほんのりとカレーの香りがする。
俺の大好物だ。
「飯食ってきたし、明日の朝食うわ。」
「わかった。お風呂だけ入っちゃいなさいね。」
「はいよ。」
それだけ交わして2階に上がる。
ベッドに携帯を放り投げ、
風呂に向かった。
□■□■□
風呂上がり。
階段を上っている最中にも、
部屋から携帯の着信音が
鳴っているのがわかった。
どうせ夏希がトークアプリで
スタンプの連打でもしているんだろう。
確認すると、三人のグループチャットに
40件もの通知がきていた。
ちなみにグループ名は《親友の集い》だ。
アプリ名は「甘党」と「眼鏡」。
どっちがどっちかは、わかるよな?
ベッドに転がって、
やり取りの履歴を流し見ていると。
甘党《おい!お前ら返事ーーー!》
眼鏡《全員揃いました?》
甘党《しょーーーーーちゃん!》
立て続けに、
やつらからメッセージが届く。
なぜか敬語になる眼鏡。
そしてやたら「ー」を使う甘党。
《うるさい》
甘党《うるさいとはなんぞ!》
眼鏡《それでは明日の計画をたてますよ。》
甘党《そういやあしたきんようびか》
《感じを使えよ》
眼鏡《感じ→× 漢字→○》
甘党《やば!笑いが止まらん!》
間違いくらい誰にでもあんだろ!
そこは優しくスルーしろよ!
イライラを募らせていると、夏希が。
甘党《泊まり会でもする?》
おぉ、確かに。
遊びに行くのも久々だしな。
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