さぼり男子とチョコと眼鏡と。〈BL〉

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「だから!何回言わせんの!」

「知らねーもんは仕方ないだろ!」


2限終了のチャイムまで、
俺は夏希に数学を見てもらっていた。

思った通り。英語以外も出来んじゃん。

ずるいやつだな。


「そういや、裕太は?」

「生徒会の用事で忙しいって。」


裕太(ユウタ)、とは二人目の親友のことだ。

沈着冷静とまではいかないけど
彼は超が付くほど頭が良く、
現在は生徒会長を任されている。

新入生に向けたポスターの製作で
ここ最近会ってないんだよな。

あぁ、帰りは一緒だけど。


「翔って今まで部活してたことあるっけ?」

「ねーよ。面倒くさいし。」

「俺もだなー。中学で野球はしてたけど。」

「いや、それ立派な部活じゃん。」


本当だ、と呟いて笑う夏希だったが、
突如顔の色を変えた。


「…待って、なんか聞こえる。」

「は?」




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