さぼり男子とチョコと眼鏡と。〈BL〉




学校に入ってから
裕太は生徒会メンバーに声を掛けられ
早々に歩いていってしまった。

朝っぱらから忙しいやつだ。
俺と夏希はそれぞれの教室へ向かう。

とりあえず登校しているということを
担任に確認してもらうためだ。

これが済めば、あとは自由。


「あ!翔くん!」

「おう、なんか久しぶり。」


髪が少し長めで、ほぼ女に見えるこいつは
噂の同性カップルのひとり、竜輝だ。

例の恋人とは上手くいっているようで。

トークアプリのトップ画像を見ればわかる。
仲良しツーショットだからな。


「夏希くんも!」

「おっ、久しぶりー!」

「お前、直弥といい感じなんだろ?」

「ちょっと!いきなり恥ずかしいよ!」


口元に手を当てて恥じらう姿は、
もう女子高生にしか見えない。かわいい。

それに、もうクラスのほとんどが知ってるから
恥じらう必要はないと思うが。


「仲良くやれよな。」

「もっちろん!もう大丈夫!」


結構な時間、話し込んでいると
いつもより遅めにカレシがやってくる。

直弥は肌が小麦色の爽やかサッカー部員。

たぶん普通高校なら
彼もモテモテなんだろう。

夢はもちろん一流の選手。

遠目ながら軽く挨拶を交わすと、
二人は仲良く話をしながら教室へ帰っていった。


「」さて、俺たちも行こうか。」

「え、なつもさぼんの?」

「今日は泊まりだから、わくわくしちゃって!」


なるほど。わからなくもないな。

俺たちは担任に挨拶をして、
1限が始まる前に屋上に向かった。



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