[短]花より彼氏
花より彼氏
「ねね、綺麗な花弁見つけた!」


そう言って花弁を見せてくる彼。

ちょっと近すぎて見にくいな。


私は少し離れた。

薄ピンク色の花弁。確かに綺麗だ。



「これもって帰って栞にしよっかな」


そう言ってポケットに突っ込んだ。


「ちょっと待って。ポケットなんかにいれたらしわくちゃになっちゃう」

そう言って私は小さな袋を彼にあげた。


「ありがとー。女子力高いね」

彼は袋に花弁をいれる。

たまたま持っていただけなんだけど。

丁度いいサイズの袋をたまたま持っていただけ。うん。


「満開だね、綺麗」

上を見上げて話す彼。

私もつられて上を見る。


今がピークだろう。

本当に綺麗だった。
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