ころっとね。
突然
「「は!?」」

ガヤガヤと騒々しかった部屋が一気に静まりかえる。


「だからね、あなた達が全然仲良くイチャイチャしてくれないから私たち海外旅行でもしてくるわね。」

パチッとウィンクをしてくるこの人は私のママの夏美だ。


「そうよ。海里も男ならもっと強引にガバッといっちゃいなさい。女の子はね結局は肉食系が好きなのよ。」

実の息子に恋愛講義を始めたこの人は海里のママの優ちゃんだ。


「黙れ。てか普通に考えておかしいだろ。」

優ちゃんを一蹴し、反抗の意を唱えたのは先程から登場している優ちゃんの息子の海里だ。

「…海里、今日ばかりはお前に賛成だ。」

眉間に皺を寄せながら話すこの人は、私の兄である。大輝あらため大ちゃんただ。妹の私からみてもシスコンなのは明白だ。


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