地味優等生→リアルシンデレラ ~みつけてください王子さま~
クラスの中で一番に登校してくるのは私だ。誰もいない教室、廊下もまだ薄暗くて、静か。
梅雨が明けて、本格的に暑さが増している。そろそろエアコンをつけてほしいが、朝一番にはそれができないので窓を全部開けていく。
自然と流れる汗を拭い、ずれる眼鏡を上げて、開けきった後の開放感はもはや私の特権だ。
満足感に満たされ、自分の席につくと、授業の予習を始める。
朝練をする部活の子達の声と、少し早起きな蝉の鳴き声、時おり入る風。
この、皆が登校してくるまでの短い時間が最も集中できる。
友達のいない寂しいガリ勉女子だと、周りに思われているのは薄々気付いている。実際、彩音に指摘されたこともあったくらいだ。
自分自身も友達同士で仲良く楽しくしている人達を見ると羨ましくなるし、彩音がいればと思うことも多い。けど、一人になりたいときはそっとしておいてほしい。
今日も私は一人、苦手な数式達と悪戦苦闘しながら、朝の風に吹かれて初夏の匂いに包まれる。
無性にフルーツ・オレが飲みたくなって、そんな自分に気恥ずかしくなる。彼はきっと今日も飲んでいるのだろうけど。
梅雨が明けて、本格的に暑さが増している。そろそろエアコンをつけてほしいが、朝一番にはそれができないので窓を全部開けていく。
自然と流れる汗を拭い、ずれる眼鏡を上げて、開けきった後の開放感はもはや私の特権だ。
満足感に満たされ、自分の席につくと、授業の予習を始める。
朝練をする部活の子達の声と、少し早起きな蝉の鳴き声、時おり入る風。
この、皆が登校してくるまでの短い時間が最も集中できる。
友達のいない寂しいガリ勉女子だと、周りに思われているのは薄々気付いている。実際、彩音に指摘されたこともあったくらいだ。
自分自身も友達同士で仲良く楽しくしている人達を見ると羨ましくなるし、彩音がいればと思うことも多い。けど、一人になりたいときはそっとしておいてほしい。
今日も私は一人、苦手な数式達と悪戦苦闘しながら、朝の風に吹かれて初夏の匂いに包まれる。
無性にフルーツ・オレが飲みたくなって、そんな自分に気恥ずかしくなる。彼はきっと今日も飲んでいるのだろうけど。