地味優等生→リアルシンデレラ ~みつけてください王子さま~
後ろで聞こえた声にぐっと歯を食い縛る。溢れてくる感情を押し殺す。大丈夫、こんなのいつものことだと。なのに……
「こら、田原!璃子ちゃんは良い子だよ。みんなが知らないだけ。ほんとはよく笑うんだ。田原も悪気なく言ったんだろうけど、聞きようによっては悪口になるから気を付けろよ」
私は口下手で無愛想で社交的じゃない。だから、何を言われたって仕方ないと諦めてきた。なのに、ああやって庇われると、泣いちゃいそうになる。甘えたくなる。
「もぅ、洸は人が良すぎ。って、そんなことよりあたしらも行こうよ!」
……そして、気づいてしまう。
私は、今、田原さんに嫉妬してる。
ぐるぐると渦巻く感情は、嫉妬だ。
私なんかよりも彼の側にいて、私なんかよりもすごく可愛くて、女の子としての魅力をたくさん持っていて。
前よりも少し近づけた気がした彼との距離に、言葉では無理だと言いながら、本当は想いが叶うんじゃないかと思い上がっていたんだ。そんな訳ないのに、おしゃれてみたり、コンタクトにしてみたり。
「……馬鹿だなぁ、っほんと、馬鹿だ」
目の前が霞む。それでも私は唇を噛んで、泣くもんかと、なけなしのプライドでポーカーフェイスを繕って教室に向かった。
「こら、田原!璃子ちゃんは良い子だよ。みんなが知らないだけ。ほんとはよく笑うんだ。田原も悪気なく言ったんだろうけど、聞きようによっては悪口になるから気を付けろよ」
私は口下手で無愛想で社交的じゃない。だから、何を言われたって仕方ないと諦めてきた。なのに、ああやって庇われると、泣いちゃいそうになる。甘えたくなる。
「もぅ、洸は人が良すぎ。って、そんなことよりあたしらも行こうよ!」
……そして、気づいてしまう。
私は、今、田原さんに嫉妬してる。
ぐるぐると渦巻く感情は、嫉妬だ。
私なんかよりも彼の側にいて、私なんかよりもすごく可愛くて、女の子としての魅力をたくさん持っていて。
前よりも少し近づけた気がした彼との距離に、言葉では無理だと言いながら、本当は想いが叶うんじゃないかと思い上がっていたんだ。そんな訳ないのに、おしゃれてみたり、コンタクトにしてみたり。
「……馬鹿だなぁ、っほんと、馬鹿だ」
目の前が霞む。それでも私は唇を噛んで、泣くもんかと、なけなしのプライドでポーカーフェイスを繕って教室に向かった。