地味優等生→リアルシンデレラ ~みつけてください王子さま~
洸君もそれに気づいて、ドアに背を向ける形に置かれている、横に長い長方形のキャビネットの前に回り込んで隠れるように腰をおろし、私もその隣に座らされた。
でも、どうして洸君が田原さんから隠れるんだろうと思って「洸君はなんで……」と尋ねた私に、彼は人指し指を唇に当てると、キャビネットにぴったりくっついて後ろの様子を窺っていた。
そうしている間にも、私たちがいる準備室に田原さんたちがやって来ていた。
「ほんとにいんのー?英語の松野って私好きじゃないから居たら最悪なんだけど?」
「えー、でも松野と洸って仲良いじゃん!さおりが言う通り、ここにいるんじゃない」
「確かに聞こえたんだよ?とりあえず入ってみよ」
丸聞こえな会話、田原さんの声の後、ガラガラとドアが開けられる。
今更だけれど、洸君と一緒に居るこの状況が見つかったら……と、不安で出来るだけ体を小さく抱え込み、無意識に洸君と繋いだ手に力が入っていた。
「おーい、洸ー?」
「ほら、やっぱ居ない。教室戻ろー」
でも、どうして洸君が田原さんから隠れるんだろうと思って「洸君はなんで……」と尋ねた私に、彼は人指し指を唇に当てると、キャビネットにぴったりくっついて後ろの様子を窺っていた。
そうしている間にも、私たちがいる準備室に田原さんたちがやって来ていた。
「ほんとにいんのー?英語の松野って私好きじゃないから居たら最悪なんだけど?」
「えー、でも松野と洸って仲良いじゃん!さおりが言う通り、ここにいるんじゃない」
「確かに聞こえたんだよ?とりあえず入ってみよ」
丸聞こえな会話、田原さんの声の後、ガラガラとドアが開けられる。
今更だけれど、洸君と一緒に居るこの状況が見つかったら……と、不安で出来るだけ体を小さく抱え込み、無意識に洸君と繋いだ手に力が入っていた。
「おーい、洸ー?」
「ほら、やっぱ居ない。教室戻ろー」