地味優等生→リアルシンデレラ ~みつけてください王子さま~
 田原さんの友達だと思われる彼女達の言葉に、少しだけほっとする。しかし……

「それにしてもさ、本当にあの地味女ムカつく」

「わぁ、さおりご立腹だねぇ」

「マジでキモくない?多分、洸の優しさに勘違いしちゃってんのよ」

 キャビネットに手を置いて話し出す田原さん。

「始業式でもさ、見た?あの女、ストーカーみたいに洸のこと見てて、ほんと恐ろしいんですけど」

「まぁまぁ、今日で思い知ったでしょ!結局、洸はさおりのことを選んだんだし……」

 しかし、突然、準備室にドンっ!!というキャビネットを叩きつける音が轟く。

「さ、さおり……?」

「どした、どした!?」

「……あの女には、ちゃんと分からせてやらなきゃ。誰が王子に似合うか」
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