地味優等生→リアルシンデレラ ~みつけてください王子さま~
「洸君……」
「俺、馬鹿だよな、呆れるくらい学習能力がなくて」
足をだらんと伸ばしてため息を溢す。投げ遣りに頭を掻いて、遠くを見つめる。
「高校に入ってからは上手くやれてたんだよ。適当な付き合いを保って、適度に距離を取って。だから分かってたんだ、言うべきじゃないことぐらい」
その横顔は自嘲するように歪められて、繋いでいない手で覆われ隠される。
「何だよ、王子って。俺、そんなキャラじゃないし、最低でクズみたいな奴なんだよ」
覆った隙間から覗く弱さ。私は恐る恐る、その手を取った。
「また、自分のこと悪く言ってる」
洸君の両手と手を繋ぐ。見えない壁の中に、殻に閉じ籠ろうとする彼を繋ぎ止めようと。俯いた洸君は私と目を合わせようとしない。
「それじゃあ、全部、私の勘違い?優しくしてくれたのも、笑いかけてくれたのも。友達だと思ってたのも私だけ?」
「……っ!違う、俺は、ほんとに璃子ちゃんのこと……」
顔を勢いよく上げて、だけど、言葉をつまらせた洸君は目を伏せた。そして黙ったまま、ただ私の手を握り返した。
「俺、馬鹿だよな、呆れるくらい学習能力がなくて」
足をだらんと伸ばしてため息を溢す。投げ遣りに頭を掻いて、遠くを見つめる。
「高校に入ってからは上手くやれてたんだよ。適当な付き合いを保って、適度に距離を取って。だから分かってたんだ、言うべきじゃないことぐらい」
その横顔は自嘲するように歪められて、繋いでいない手で覆われ隠される。
「何だよ、王子って。俺、そんなキャラじゃないし、最低でクズみたいな奴なんだよ」
覆った隙間から覗く弱さ。私は恐る恐る、その手を取った。
「また、自分のこと悪く言ってる」
洸君の両手と手を繋ぐ。見えない壁の中に、殻に閉じ籠ろうとする彼を繋ぎ止めようと。俯いた洸君は私と目を合わせようとしない。
「それじゃあ、全部、私の勘違い?優しくしてくれたのも、笑いかけてくれたのも。友達だと思ってたのも私だけ?」
「……っ!違う、俺は、ほんとに璃子ちゃんのこと……」
顔を勢いよく上げて、だけど、言葉をつまらせた洸君は目を伏せた。そして黙ったまま、ただ私の手を握り返した。