地味優等生→リアルシンデレラ ~みつけてください王子さま~
強く握られる手。
真っ直ぐに向けられた強い眼差し。
ゆっくり近付いてくる洸君との距離は、友達の距離を越えていく。
二人だけの準備室で、それを遮るものなんかなくて、隠すと決めた気持ちが揺らぐ。
「璃子ちゃん」
彼の少しかすれた声。自分じゃないみたいにドキドキして、目を閉じる。それでも感じる彼の気配。緊張と期待。 繋いでいた手が離れたと思えば、私の肩に触れた……その時に。
「ここを逢い引きのための隠れ場所に使われたくねぇんだが?」
いきなり、低くて不機嫌そのものの男の人の声が聞こえて、そちらに目を向けると、やっぱり不機嫌そうな顔をした松野先生がキャビネットに肘をついて私たちを見下ろしていた。
「ま、松野先生っ!?」
「まっつん、今いいとこ……っうぐ」
見られていた恥ずかしさに動揺、混乱して洸君を突き飛ばしてしまった。
「あ、ごめんなさい!えっと、あの、失礼しましたっ!!」
私はそのまま逃げるように準備室から出て、全速力で廊下を走り抜けた。
真っ直ぐに向けられた強い眼差し。
ゆっくり近付いてくる洸君との距離は、友達の距離を越えていく。
二人だけの準備室で、それを遮るものなんかなくて、隠すと決めた気持ちが揺らぐ。
「璃子ちゃん」
彼の少しかすれた声。自分じゃないみたいにドキドキして、目を閉じる。それでも感じる彼の気配。緊張と期待。 繋いでいた手が離れたと思えば、私の肩に触れた……その時に。
「ここを逢い引きのための隠れ場所に使われたくねぇんだが?」
いきなり、低くて不機嫌そのものの男の人の声が聞こえて、そちらに目を向けると、やっぱり不機嫌そうな顔をした松野先生がキャビネットに肘をついて私たちを見下ろしていた。
「ま、松野先生っ!?」
「まっつん、今いいとこ……っうぐ」
見られていた恥ずかしさに動揺、混乱して洸君を突き飛ばしてしまった。
「あ、ごめんなさい!えっと、あの、失礼しましたっ!!」
私はそのまま逃げるように準備室から出て、全速力で廊下を走り抜けた。