地味優等生→リアルシンデレラ ~みつけてください王子さま~
「いや、だって、元はと言えば立花が余計なことしたからで。それに、はっきりしたことも言わないでキスしようとするなんて、ヘタレでしかなくない?」

「そこまで言わないであげて。私だって、あのまま……」

 思い出して、一人で恥ずかしくなる。あのままキスされても良いと思って、目を閉じた。期待は大きく膨らんで、洸君が言いかけたのは私のことを好きだということじゃないか、とか都合よく思ってしまう。

 頬を手で包むと驚くほど熱くて、隣のユイちゃんに顔を向けられない。

「ほんと甘いなぁ、璃子は。ま、なんにせよ、王子に選ばれたのは予想通り立花だし、あとはシンデレラが舞台に上がれば……」

「え、ちょっと待って、投票の結果ってもう出てたの!?」

 初耳の事実に動揺する私に、ユイちゃんは呆れたようにため息をついていた。

「やっぱり、朝からずっとぼんやりしてたから、私の話ちゃんと聞いてなかったんだ」

 うっ、バレてた。

「3年はあのキザな生徒会長、2年は立花、1年はモデルやってる子らしい」
< 132 / 220 >

この作品をシェア

pagetop