地味優等生→リアルシンデレラ ~みつけてください王子さま~
 いつの間に……て、洸君が選ばれるのは結果が出なくとも分かっていたけど。

 そうだ、洸君は文化祭で告白してくれた子の中から一人を選ぶんだ。

『あんたが王子と似合う訳がないから』

 洸君はどんな子を選ぶのかな?私はそれを見届けられる?その二人を祝福できる?

 膨らんでいた期待がしぼんでいく。洸君は私に好きだなんて言葉を言わなかった。キスしようとした、と思ったのも私の勘違いかもしれない。

 投票したのは、ちゃんと自分の気持ちを伝えたいと思っていたからだけど、昨日は友達として好きだと嘘をついて、今度は本当に好きと言ってもちゃんと伝わるのかな。

「璃子」

「ん?」

 呼ばれて顔を上げる。と、眉間に指を押し当てられ、瞬きを繰り返す。

「難しく考えないで、好きって気持ちをぶつけたら良い。ヘタレ王子にはそれぐらいしないと、伝わらないよ」

「もう、洸君はヘタレじゃないよ」
< 133 / 220 >

この作品をシェア

pagetop