地味優等生→リアルシンデレラ ~みつけてください王子さま~
*
とうとう、待ちに待った文化祭の日。嫌味なほどに快晴。文化祭日和。
そんな楽しいイベントの日の朝から、私はため息が止まらない。気分は頗る良いけど、楽しみな気持ちと緊張する気持ちとが半々にせめぎ合っているのだ。
今朝から卵を割り落としたり、歯みがき粉に洗顔料を付けていたり、およそ普段ではしないことばかりしてしまっていた。
そんな私に家族は不思議そうに見守っていた。そして、いつものように朝食を取っていたお母さんが、玄関に向かおうとしていた私を引き留めた。
そのおかげで私は携帯を忘れていたことに気づいて部屋に取りに戻り、それからお母さんの所に行く。
「なに?ヨーグルトなら冷蔵庫にあるよ」
「うん、ヨーグルトも私の朝には欠かせないんだけど、そうじゃなくてね、今日は璃子の学校の文化祭でしょ?それから、私のピアノ教室の生徒達の発表会でもあるの」
お母さんは悩ましげに頬に手を当てた。軽くため息をついて「分かった」と頷いてみせる。
「どうぞ、発表会に行ってください。帰りは遅くなるの?」
「そうね、そうかもしれない。リッキー君はお留守番よ、良い子にしててね」
膝の上で寛ぐリッキー君を撫でるお母さん。彼は何かを悟ったように寂しげにクゥンと鳴いた。私も出来るだけ早く帰らなきゃいけないみたいだ。
とうとう、待ちに待った文化祭の日。嫌味なほどに快晴。文化祭日和。
そんな楽しいイベントの日の朝から、私はため息が止まらない。気分は頗る良いけど、楽しみな気持ちと緊張する気持ちとが半々にせめぎ合っているのだ。
今朝から卵を割り落としたり、歯みがき粉に洗顔料を付けていたり、およそ普段ではしないことばかりしてしまっていた。
そんな私に家族は不思議そうに見守っていた。そして、いつものように朝食を取っていたお母さんが、玄関に向かおうとしていた私を引き留めた。
そのおかげで私は携帯を忘れていたことに気づいて部屋に取りに戻り、それからお母さんの所に行く。
「なに?ヨーグルトなら冷蔵庫にあるよ」
「うん、ヨーグルトも私の朝には欠かせないんだけど、そうじゃなくてね、今日は璃子の学校の文化祭でしょ?それから、私のピアノ教室の生徒達の発表会でもあるの」
お母さんは悩ましげに頬に手を当てた。軽くため息をついて「分かった」と頷いてみせる。
「どうぞ、発表会に行ってください。帰りは遅くなるの?」
「そうね、そうかもしれない。リッキー君はお留守番よ、良い子にしててね」
膝の上で寛ぐリッキー君を撫でるお母さん。彼は何かを悟ったように寂しげにクゥンと鳴いた。私も出来るだけ早く帰らなきゃいけないみたいだ。