地味優等生→リアルシンデレラ ~みつけてください王子さま~


 文化祭では出し物(演劇など舞台を使う)と模擬店、展示、など各学年、クラスですることが違い、部門毎に表彰される。

 表彰されると言っても景品はお菓子やジュースなのだが、景品よりも優勝という肩書きがクラスに上がることが大事なので、ほとんどのクラスが本気になって文化祭に挑む。

「いよいよ、文化祭が始まったね」

 演劇の時間や、模擬店、展示の場所が載った手作りのパンフレットを手にユイちゃんが呟く。

「朝はほとんどここの生徒だけだから、早い内に家庭科部の菓子パン買いに行きたいな」

 私とユイちゃんはそれぞれクラスでお揃いのTシャツに制服のスカートという姿。他の子たちも大体が同じ格好をしている。

「あぁ、いつも売り切れるの早いもんね」

「うん、それに私の友達に頼まれてるから」

「前に言ってた幼なじみの子?」

 うんと頷いて家庭科部が借りている教室に向かう。去年も彩音を呼んでいて、今年も来ると聞く前に言われていた。
< 136 / 220 >

この作品をシェア

pagetop