地味優等生→リアルシンデレラ ~みつけてください王子さま~
ショートカットの女の子……眞壁さんはユイちゃんと同じソフトボール部らしく、笑顔がとても好印象だ。
「そうなんだ……でも、指名は……」
オレンジジュースと金券を交換して、教室に目を向ける。色んな人がいるけど、彼はどこにも見当たらない。諦めて首を振ろうとした私に、いつの間にか友達と一緒に教壇の段差に腰掛けてたこ焼きを頬張っていたユイちゃんが隣に座るように手招きして、
「璃子は当然、立花を指名するでしょ」
「ちょ、ちょっとユイちゃん!」
思いがけない暴露に狼狽える私。眞壁さんは「ほぅ!」と意味ありげに笑みを浮かべた。
「悪い魔女に出会っちゃったわね、璃子ちゃん?」
「え、えぇ?」
「もうじき、王子がこっちに到着するよ。宣伝をかねて馬車で学校を回ってたんだ。……あ、ほら、そこに」
一際騒いでいる声が廊下から聞こえてくる。眞壁さんの指の先には、全身白のタイツに白馬の頭を被った二人に引かれて来る台車……に、ただ乗っかっているだけの段ボールで作られた馬車に乗る彼の姿に、文字どおり目を奪われた。
恥ずかしそうに照れ笑いを浮かべて、囃し立てる友人達と言い合っていた。
「そうなんだ……でも、指名は……」
オレンジジュースと金券を交換して、教室に目を向ける。色んな人がいるけど、彼はどこにも見当たらない。諦めて首を振ろうとした私に、いつの間にか友達と一緒に教壇の段差に腰掛けてたこ焼きを頬張っていたユイちゃんが隣に座るように手招きして、
「璃子は当然、立花を指名するでしょ」
「ちょ、ちょっとユイちゃん!」
思いがけない暴露に狼狽える私。眞壁さんは「ほぅ!」と意味ありげに笑みを浮かべた。
「悪い魔女に出会っちゃったわね、璃子ちゃん?」
「え、えぇ?」
「もうじき、王子がこっちに到着するよ。宣伝をかねて馬車で学校を回ってたんだ。……あ、ほら、そこに」
一際騒いでいる声が廊下から聞こえてくる。眞壁さんの指の先には、全身白のタイツに白馬の頭を被った二人に引かれて来る台車……に、ただ乗っかっているだけの段ボールで作られた馬車に乗る彼の姿に、文字どおり目を奪われた。
恥ずかしそうに照れ笑いを浮かべて、囃し立てる友人達と言い合っていた。