地味優等生→リアルシンデレラ ~みつけてください王子さま~
急げ、急げと足を急かす。
気持ちも前へ、前へと進む。
早く、早く洸君の所に……!
けれど、階段を下りて角を曲がった私は、その先にあるトイレから出てきた人物とちょうど鉢合わせて、急かしていた足を急停止させることになった。
「田原さん……」
彼女も私に気づいて驚いたように動きを止めた。そして訝しげに私の全身を見て、再び目が合うと見たこともないくらいの厳しい表情で睨まれてしまう。
私は早く先に急ぎたくて、田原さんから目を逸らし前に行こうとしたら、
「待ちなさいよ」
威圧的な声と、痛いほど捕まれた腕に顔をしかめる。離して、と腕を振るが彼女は離そうとしない。
怖い。
私のことなんか構わないでよ。
「あんたなんかが洸に似合う訳ないんだから、地味な優等生は大人しく帰ってよ!」
田原さんのヒステリックな声は静かな廊下に響く。ズキンと胸に刺さる。でも、と私は拳を強く握って息を吸い込んだ。
気持ちも前へ、前へと進む。
早く、早く洸君の所に……!
けれど、階段を下りて角を曲がった私は、その先にあるトイレから出てきた人物とちょうど鉢合わせて、急かしていた足を急停止させることになった。
「田原さん……」
彼女も私に気づいて驚いたように動きを止めた。そして訝しげに私の全身を見て、再び目が合うと見たこともないくらいの厳しい表情で睨まれてしまう。
私は早く先に急ぎたくて、田原さんから目を逸らし前に行こうとしたら、
「待ちなさいよ」
威圧的な声と、痛いほど捕まれた腕に顔をしかめる。離して、と腕を振るが彼女は離そうとしない。
怖い。
私のことなんか構わないでよ。
「あんたなんかが洸に似合う訳ないんだから、地味な優等生は大人しく帰ってよ!」
田原さんのヒステリックな声は静かな廊下に響く。ズキンと胸に刺さる。でも、と私は拳を強く握って息を吸い込んだ。