地味優等生→リアルシンデレラ ~みつけてください王子さま~
田原さんの腕が離れ、爪痕がくっきり残った腕を庇うように手で覆って彼女から目を逸らした時に、勢いよくバシャッ、という水の音がして、呆然とする私の足下には滴り落ちる水溜まりが出来ていた。
自分の体を見れば、制服がびちゃびちゃに濡れている。目の前には空になったペットボトルを持って、密かに笑みを浮かべる田原さんが。
「あーあ、地味なのが余計にみすぼらしい姿になっちゃった。でも、告白して皆の前で振られるよりはマシじゃない?あんたは掃除でもして、さっさとお家に帰れば?」
瞬きをすると、水滴が流れ落ちた。
冷たい水が、熱を持った涙と交わる。
遠ざかっていく彼女の姿は輪郭がはっきりしない。
不意に力が抜けて膝を床につける。
そしたら、必死に我慢していたものが我慢できなくなっていた。
「なんでっ、なんでよ……どうして私なの?私だけじゃないのに、なんでっ!!」
ぶつける相手のいない気持ちが、嗚咽とともに溢れてくる。
「ただ、好きな、だけなのに、どうして私は駄目なの?今度こそ、洸君に……」
自分の体を見れば、制服がびちゃびちゃに濡れている。目の前には空になったペットボトルを持って、密かに笑みを浮かべる田原さんが。
「あーあ、地味なのが余計にみすぼらしい姿になっちゃった。でも、告白して皆の前で振られるよりはマシじゃない?あんたは掃除でもして、さっさとお家に帰れば?」
瞬きをすると、水滴が流れ落ちた。
冷たい水が、熱を持った涙と交わる。
遠ざかっていく彼女の姿は輪郭がはっきりしない。
不意に力が抜けて膝を床につける。
そしたら、必死に我慢していたものが我慢できなくなっていた。
「なんでっ、なんでよ……どうして私なの?私だけじゃないのに、なんでっ!!」
ぶつける相手のいない気持ちが、嗚咽とともに溢れてくる。
「ただ、好きな、だけなのに、どうして私は駄目なの?今度こそ、洸君に……」