地味優等生→リアルシンデレラ ~みつけてください王子さま~
「さぁ、さぁ、学校一のモテ王子、立花洸が選ぶプリンセスは……?」
舞台上では、司会の冨岡君が洸君にマイクを向けていた。彼の前には何人もの女子が並んで、祈るように両手を合わせていたり、自信ありげに自分の名前が呼ばれるのを澄まして待っていたりしている。
「俺は……」
下を向いていた洸君。彼の声で音楽が止まり、皆黙ったことで静けさに包まれる。
待って……。
お願い。
私は舞台の下にいる人の壁を掻き分けるように進んでいく。皆、何事かと振り返って、前の方では道を空けてくれた。
コソコソと、私を見てざわつく体育館。私はそんなの関係なく、ただ突き進む。洸君へと、まっすぐに。
「洸君」
ほとんど、声にならなかった。ほんの小さな呟き。それでも、洸君は顔を上げて、舞台下に来た私に目を向けてくれた。
見つめ合う。それだけで胸が高鳴る。
二人とも、時間が止まったように動きを止めて、だけど目を離さない。
舞台上では、司会の冨岡君が洸君にマイクを向けていた。彼の前には何人もの女子が並んで、祈るように両手を合わせていたり、自信ありげに自分の名前が呼ばれるのを澄まして待っていたりしている。
「俺は……」
下を向いていた洸君。彼の声で音楽が止まり、皆黙ったことで静けさに包まれる。
待って……。
お願い。
私は舞台の下にいる人の壁を掻き分けるように進んでいく。皆、何事かと振り返って、前の方では道を空けてくれた。
コソコソと、私を見てざわつく体育館。私はそんなの関係なく、ただ突き進む。洸君へと、まっすぐに。
「洸君」
ほとんど、声にならなかった。ほんの小さな呟き。それでも、洸君は顔を上げて、舞台下に来た私に目を向けてくれた。
見つめ合う。それだけで胸が高鳴る。
二人とも、時間が止まったように動きを止めて、だけど目を離さない。