地味優等生→リアルシンデレラ ~みつけてください王子さま~
不意に優しく笑った洸君は何かを呟くと、冨岡君の制止を振りきって私の元へと近づいてくる。
「おい、立花!?」
「待ってよ洸!」
舞台の上にいた子達の止める声。だけど、洸君はそこから飛び下りて、私に手を差し伸べた。
「俺の好きな人は、たった一人だけだから」
ざわついていた声が一層煩くなる。信じられない思いで固まる私。洸君は差し伸べていた手で私の手を握ると、そのまま横の出口の方へと歩き出した。
後ろからは悲鳴やら困惑の声やらで、まさしく混乱していて、逃げるように外に出た洸君の横顔はそれと相反して清々しい、晴れ晴れした表情だ。
「だ、大丈夫かな」
舞台でこちらを見ていた田原さんの顔を思い出して、背筋が凍る。不安になって思わず口に出た呟きに、洸君は一度だけ振り向いて、また前を見る。
「嫌だった?俺と来るの」
「嫌じゃないよ!!むしろ……」
嬉しかった。本当に。嬉しすぎて、これが現実なのかと疑うほど。だって、ずっと片想いで、遠くから眺めているだけだったから。
「その涙は、俺が喜んでいい涙?」
「おい、立花!?」
「待ってよ洸!」
舞台の上にいた子達の止める声。だけど、洸君はそこから飛び下りて、私に手を差し伸べた。
「俺の好きな人は、たった一人だけだから」
ざわついていた声が一層煩くなる。信じられない思いで固まる私。洸君は差し伸べていた手で私の手を握ると、そのまま横の出口の方へと歩き出した。
後ろからは悲鳴やら困惑の声やらで、まさしく混乱していて、逃げるように外に出た洸君の横顔はそれと相反して清々しい、晴れ晴れした表情だ。
「だ、大丈夫かな」
舞台でこちらを見ていた田原さんの顔を思い出して、背筋が凍る。不安になって思わず口に出た呟きに、洸君は一度だけ振り向いて、また前を見る。
「嫌だった?俺と来るの」
「嫌じゃないよ!!むしろ……」
嬉しかった。本当に。嬉しすぎて、これが現実なのかと疑うほど。だって、ずっと片想いで、遠くから眺めているだけだったから。
「その涙は、俺が喜んでいい涙?」