地味優等生→リアルシンデレラ ~みつけてください王子さま~
「キス、したの?」

「してない、してない!!未遂だよ!」

「なんだぁ、残念だったね。でもハグしてもらって良かったねぇ?」

 思い出して顔が熱い。茶化すように肩をつつくユイちゃんに「もう」と怒っても、怒りきれないでまた茶化されてしまう。

 だけど、ここまでさらけ出されているのに、私のことを普段と変わらない様子で誰も気付かないことに疑問を感じた。

 それとも思い上がりなのかな。誰と誰が付き合うか、いちいち騒ぎ立てるなんてないのかも。

 一人で納得していると、ユイちゃんがそれを見透かしたように口を開いた。

「この写真を見た皆、シンデレラが誰だって騒いでるよ。だから女どもは格好を真似してるし、男なんてその中で一番可愛い子がシンデレラだと見定めようとしてるし」

「そ、それって……っ」

 まさか、と戦慄く。ユイちゃんは平然と、冷静に私に告げた。

「うん、普通に璃子のことだって気付かれてないよね」
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