地味優等生→リアルシンデレラ ~みつけてください王子さま~
 なんかショック!!

 いや、まぁ、当たり前なんだろうけど。

 コンタクトの上にだて眼鏡をして、髪は一つにまとめて飾り気もなく、化粧なんて一切してない、地味で冴えない私に気がつくはずがないのだから。

 もしかして、ひー君も……

「もう一回、変身させてあげようか?璃子がシンデレラだって……」

「ううん、いい。でも、ありがとう」

 握り締めたイヤリングを見下ろして首を振る。

「璃子、ほんとに良いの?」

 心配そうなユイちゃんに顔を向けて頷く。

「……なんだか嘘をついてるみたいで。それにね、彼に私を、柊璃子を好きだって言ってほしいの」

 誤魔化さないで、私自身を見てもらう。柊璃子として、もう一度、想いを伝えようと思う。不器用でも、不格好でも。

「そっか。……なんか、強くなったね」

「そう?でも、だとしたら、ユイちゃんや彩音のおかげだと思う」

 改めてお礼を言ったら、ユイちゃんは決まり悪そうにこめかみを掻いていた。
< 202 / 220 >

この作品をシェア

pagetop