地味優等生→リアルシンデレラ ~みつけてください王子さま~
会話もないまま、テニスコートが横にある非常階段の前で立ち止まった田原さん。
そこはグラウンドと繋がってはいるが、人通りは少ない。遠くからは早弁をして、昼休みにサッカーやバスケを楽しむ男子たちの掛け声が聞こえる。
「田原さん……?」
沈黙に堪えかねて話しかける。彼女はゆっくり振り向いた。
「あんた、一体何のつもり?」
「それは、どういう意味?」
「あんな変装みたいな事までして、洸を手に入れたつもり?あんたの方が、よっぽど本気じゃないみたい。洸の気持ちを弄んでるんでしょ」
興奮して言い返してしまいたくなるのを、唇を噛んで我慢する。
「この間、言ってしまったことは謝ります。ごめんなさい。好きな気持ちを他人が計れることなんてないのに」
「じゃあ、諦めてよ、洸のこと」
「それは出来ない」
「……っ!」
怒りに顔を歪ませて腕を振り上げる。でも、私は彼女から目を離さない。
「私を叩いて気が済むなら、どうぞ。そのことで、あなたを恨むつもりも、誰かに言ったりもしないから。でも私の気持ちがなくなることもないし、私は私としてもう一度、告白する」
そこはグラウンドと繋がってはいるが、人通りは少ない。遠くからは早弁をして、昼休みにサッカーやバスケを楽しむ男子たちの掛け声が聞こえる。
「田原さん……?」
沈黙に堪えかねて話しかける。彼女はゆっくり振り向いた。
「あんた、一体何のつもり?」
「それは、どういう意味?」
「あんな変装みたいな事までして、洸を手に入れたつもり?あんたの方が、よっぽど本気じゃないみたい。洸の気持ちを弄んでるんでしょ」
興奮して言い返してしまいたくなるのを、唇を噛んで我慢する。
「この間、言ってしまったことは謝ります。ごめんなさい。好きな気持ちを他人が計れることなんてないのに」
「じゃあ、諦めてよ、洸のこと」
「それは出来ない」
「……っ!」
怒りに顔を歪ませて腕を振り上げる。でも、私は彼女から目を離さない。
「私を叩いて気が済むなら、どうぞ。そのことで、あなたを恨むつもりも、誰かに言ったりもしないから。でも私の気持ちがなくなることもないし、私は私としてもう一度、告白する」