地味優等生→リアルシンデレラ ~みつけてください王子さま~
「そこまでにしなよ、さおり」

 そこに現れたのは、ユイちゃんだった。

「結奈……!」

 田原さんは驚いたというか、彼女にすがるような目で名を呼んで、二人の間に蟠る何かがあるように感じた。

「璃子を目の敵にするのは間違ってる。好きになってもらえない理由も、ほんとは分かってるはずだよね?中学の時から、さおりは洸のことしか見てなかったんだから」

 その言葉で、直感的に分かってしまう。

「知らないっ!洸は私が好きなの、好きにならなきゃ可笑しいもん!!だって、こんなに好きなのに、なんで……っ」

「そう、そうやって、自分の理想とする洸しか見てこなかったんだよ」

『私、中学の時、虐められてたの』

『立花目当てで私と一緒にいただけだって』

 ユイちゃんと田原さんは同じ中学だった?ユイちゃんを、孤立させたのも……?

「なんで……結奈も洸も、こいつにばっかり!」
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