地味優等生→リアルシンデレラ ~みつけてください王子さま~
再び私を睨み付けて、今度こそ殴りかかってきそうな田原さんを、ユイちゃんが腕を掴んで止めさせる。
「璃子、ごめん。さおりと話がしたいから、洸のとこに行って」
「行かせないわよ!私しか洸に似合う彼女は居ないんだからっ!!」
ユイちゃんに目をやると、数度頷いて大丈夫だと示していて、二人に背を向けた。
私が立ち入るべきじゃないと思ったし、なにより、早くひー君の所へ行きたかった。
あの日のリッキーが、柊璃子だという証のイヤリングは無くなってしまった。
不安は大きくなるばかりだ。
もしも、と悪い考えが渦巻いて、だけど、と彼を信じる気持ちが、好きな気持ちが、私の足を動かしてくれる。
通り過ぎる人が私に異様な目を向ける。それでも走る足を緩めたりしない。全速力で、廊下を、階段を駆けて教室へ。けど、そこに彼は居なくて、また走り出す。
何て言えばいいんだろう、どうしたら私の気持ちが届くのだろう。
そんな事を考えながら、走っていた私の目の先に、探していた背中を見つけて、考えていたことがその瞬間に消え去っていた。
「……っ待って!」
「璃子、ごめん。さおりと話がしたいから、洸のとこに行って」
「行かせないわよ!私しか洸に似合う彼女は居ないんだからっ!!」
ユイちゃんに目をやると、数度頷いて大丈夫だと示していて、二人に背を向けた。
私が立ち入るべきじゃないと思ったし、なにより、早くひー君の所へ行きたかった。
あの日のリッキーが、柊璃子だという証のイヤリングは無くなってしまった。
不安は大きくなるばかりだ。
もしも、と悪い考えが渦巻いて、だけど、と彼を信じる気持ちが、好きな気持ちが、私の足を動かしてくれる。
通り過ぎる人が私に異様な目を向ける。それでも走る足を緩めたりしない。全速力で、廊下を、階段を駆けて教室へ。けど、そこに彼は居なくて、また走り出す。
何て言えばいいんだろう、どうしたら私の気持ちが届くのだろう。
そんな事を考えながら、走っていた私の目の先に、探していた背中を見つけて、考えていたことがその瞬間に消え去っていた。
「……っ待って!」