地味優等生→リアルシンデレラ ~みつけてください王子さま~
 伝えたいと思う気持ちとは裏腹に、言葉がまとまらなくて、そうやって焦って言葉を詰まらせる。

 どうしよう、どうしようと焦れば焦るほどに、口は動かなくなっていく。

 そんな私にひー君は近寄って、

「うん、俺はちゃんと聞いてるから、ゆっくり話して」

 優しく微笑んで、私を見つめる。

 私はこくんと頷いて、大きく息を吸って、吐いて、を何度か繰り返した。

 ややこしい言葉なんて選ばないで、私の中の気持ちを、彼だけに。

「……こんな私を好きになってください。私を彼女にしてくださいっ!」

 全然綺麗な告白じゃない。不格好すぎて、誰かがどこかで嘲笑っているかも。涙で視界が悪くて、目の前のひー君さえ見えない。

 通りすがりの人達が、遠巻きに私たちを囲んでいるのはなんとなく察する。

 ああ、格好悪いな。ひー君に恥ずかしい思いをさせてないかな。

 すると、しゃくりあげて泣く私へ、ひー君の手が近付いてきて、何だろうと思っていれば、耳に何かを付け始めていた。
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