地味優等生→リアルシンデレラ ~みつけてください王子さま~


 昼休みの後は、洸と璃子を祝福する声で教室が騒がしかった。

 良かった、ちゃんと上手くいったみたいで。

 デレデレする洸に呆れながらも、辛い思いをしてきた洸が幸せそうで、自分のことのように嬉しくなる。

 なのに、心に何かがつっかえていた。

 さおりは、午後の授業を一つも受けなかった。

 一応、気にしていつも彼女に取り巻いている内の一人に聞いてみると、「は?知んないし」と適当に答えを返された。それだけに留まらず……

「なんかぁ、最近のさおりって面倒なんだよね。洸、洸って煩いし、しかも結局あの優等生に取られてんじゃん。まじウケるし!」

 それが、友達に向ける言葉?

 つっかえていたものは、イライラと積み重なっていく。

「もう、さおりなんかとつるむの辞めよっかな」

 そうして、ブチっと、私の中で切れた。

「そうだね、あんたみたいな根性腐りきった女に、さおりの友達を名乗る資格なんてないもんね?」
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