地味優等生→リアルシンデレラ ~みつけてください王子さま~
「璃子、ずっとにやけてたよ」
階段の下から五段目に二人で腰を下ろし、そう言った彼女に疑いの目を向けてみたが、ただただ冷静な目を返され、事実なのかと軽くショックを受ける。
美術室や音楽室のあるこの棟はやっぱり人気がなくて、冷房がついている訳でもないのにひんやりしていた。
階段も冷たくて、踊り場の上の所に設けられた窓も外の雑草やら木やらで日が遮られているため暗い。
「意外と分かりやすい、今すごい浮かれてるよね」
言い返す言葉がなくて黙りこむ。
……それでも、やっぱり口角が自然と上がって、熱くなる頬を両手で包む。
「ほんと好きだねぇ、立花のことが」
ちょうど立花君の笑顔を思い出していたところに、ユイちゃんの言葉が耳に入って、私は慌てて首を横に振る。
「だ、だから違うの!私は……」
「なんで拒否すんの?嫌いなの?」
「それも、違うけど」
「けど?」
心底分からないといった顔をしている彼女から顔を背けて、足元を見つめる。
「私みたいな地味な女が立花君みたいにキラキラ輝いてる人を好きだなんて……」
「キラキラ?何それ……。璃子も、やっぱあいつの外側にしか興味ないんだ」
階段の下から五段目に二人で腰を下ろし、そう言った彼女に疑いの目を向けてみたが、ただただ冷静な目を返され、事実なのかと軽くショックを受ける。
美術室や音楽室のあるこの棟はやっぱり人気がなくて、冷房がついている訳でもないのにひんやりしていた。
階段も冷たくて、踊り場の上の所に設けられた窓も外の雑草やら木やらで日が遮られているため暗い。
「意外と分かりやすい、今すごい浮かれてるよね」
言い返す言葉がなくて黙りこむ。
……それでも、やっぱり口角が自然と上がって、熱くなる頬を両手で包む。
「ほんと好きだねぇ、立花のことが」
ちょうど立花君の笑顔を思い出していたところに、ユイちゃんの言葉が耳に入って、私は慌てて首を横に振る。
「だ、だから違うの!私は……」
「なんで拒否すんの?嫌いなの?」
「それも、違うけど」
「けど?」
心底分からないといった顔をしている彼女から顔を背けて、足元を見つめる。
「私みたいな地味な女が立花君みたいにキラキラ輝いてる人を好きだなんて……」
「キラキラ?何それ……。璃子も、やっぱあいつの外側にしか興味ないんだ」