地味優等生→リアルシンデレラ ~みつけてください王子さま~
 棟の開いた扉の向こうでは燦々と照る太陽で明るいのに、棟の中は光が届かないで、外とは違う世界のよう。

 困ったように笑うユイちゃんに私の鼓動がとくんと動く。

 きっと、ユイちゃんも立花君が好きなんだろうな……なんて言えば即答で違うと言われそうだが。

 兄妹として、相手の悪いところも良いところも全て知っているからこそ出てくる言葉は悪口みたいだけれど、思いやりがあって、彼のことを心配しているよう。

 そして、それを私に話してくれたことがただ嬉しかった。

「私……立花君が好きです。ユイちゃんの言った事が本当なら、ちょっと複雑だけど、1年生の時に初めて話した時からずっと好きなの」

 だから私も、自分の気持ちを素直に言おうと思えた。

 叶わない恋だと笑われてもいいや、くらいの気持ちだったけれど、彼女は真剣に聞いてくれていた。

「男の子って可愛くて目立つ子が好きだから、私なんか居ても居なくても気にされないのに、立花君は話しかけに来てくれた。たったそれだけだって、私だけじゃないって分かってる。でも、もっと話したいなって、もっと彼を知りたいなって。呆れるほど単純だよね」
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