地味優等生→リアルシンデレラ ~みつけてください王子さま~
ゆっくり、言葉を選びながら話し、ユイちゃんからの返事を待っていると……
「確かに単純過ぎる」
一刀両断とはこの事で、ユイちゃんはわざとらしい大仰なため息をついてムスっとした表情を浮かべた。
「あいつが女の子に話しかけるのは日常的な事だし、変態だし、おまけに隠れオタクだし、元は根暗君だったし、引きこもりだったし」
知らない立花君を知っているユイちゃんが、少し羨ましくなる。
「マイペース過ぎるし、何考えてるか親ですら分からないらしいし、女子に言い寄られたら断らないし、求められたらすぐヤるし……そんな奴が好きって言ってるんだよ、璃子は」
「なんか私の知っている世界を遥かに超えてるけど、それでも好き……だと思う」
立花君の悪い所を聞いても、不思議と気持ちは変わらない。これが恋の盲目と云われるものかと自分で納得する。
ユイちゃんも、そっか、と言って口を噤む。暫く沈黙が二人を包んでいたが、
「じゃ、日曜に私の家に来て。場所は覚えてるよね」
すっくと立ち上がって階段を下りたユイちゃんが振り返り様に言って、そのまま扉の外へ出ていってしまった。
その、外に出る瞬間に見えた笑顔が眩しかったのは、太陽の仕業だったのだろうか。考え始める隙を与えないかのように予鈴が鳴り出して、私も急いで教室へと向かわなければならなかった。
「確かに単純過ぎる」
一刀両断とはこの事で、ユイちゃんはわざとらしい大仰なため息をついてムスっとした表情を浮かべた。
「あいつが女の子に話しかけるのは日常的な事だし、変態だし、おまけに隠れオタクだし、元は根暗君だったし、引きこもりだったし」
知らない立花君を知っているユイちゃんが、少し羨ましくなる。
「マイペース過ぎるし、何考えてるか親ですら分からないらしいし、女子に言い寄られたら断らないし、求められたらすぐヤるし……そんな奴が好きって言ってるんだよ、璃子は」
「なんか私の知っている世界を遥かに超えてるけど、それでも好き……だと思う」
立花君の悪い所を聞いても、不思議と気持ちは変わらない。これが恋の盲目と云われるものかと自分で納得する。
ユイちゃんも、そっか、と言って口を噤む。暫く沈黙が二人を包んでいたが、
「じゃ、日曜に私の家に来て。場所は覚えてるよね」
すっくと立ち上がって階段を下りたユイちゃんが振り返り様に言って、そのまま扉の外へ出ていってしまった。
その、外に出る瞬間に見えた笑顔が眩しかったのは、太陽の仕業だったのだろうか。考え始める隙を与えないかのように予鈴が鳴り出して、私も急いで教室へと向かわなければならなかった。