地味優等生→リアルシンデレラ ~みつけてください王子さま~
そんな彼と初めて話したのは1年生の時だった。
体育祭の、クラス対抗リレー。
その時は同じクラスだったけれど例によって話したこともなく、また何とも思っていなくて顔すらちゃんと見たことがないほどだった。
走りが速くも遅くもない私が走る順番は中間で、走りの速い立花君はアンカーに抜擢されていた。
しかし、当日になって足を怪我してしまった子が一人出てしまって、人数合わせの為に誰かが代走しなくてはいけなかった。
その代走を、彼が自ら引き受けた。その順番は、私がバトンを渡す順番だった。
私のクラスはトップで走っていて、けれど、私と同じ走者の中には陸上部の子が。不安を抱きながらもバトンを受け取り、立花君へ少しでも早く繋げようと走っていたが……
不安は的中し、陸上部の子が後ろからぐいぐいと追いかけてくるのが背中に感じた。
引き離していた距離はあっという間に追いつかれてしまい、あと少しでバトンを渡せるという所だった。
その子が私を追い抜こうとして体がぶつかり、体勢が崩れた私は気づけば地面に手をついていた。
どくどくと嫌な動悸、焦る気持ちとは裏腹に諦めかける心、クラスの子達の落胆した声。
その時だ……『がんばれ!!』という声が、私の耳に届いた。
体育祭の、クラス対抗リレー。
その時は同じクラスだったけれど例によって話したこともなく、また何とも思っていなくて顔すらちゃんと見たことがないほどだった。
走りが速くも遅くもない私が走る順番は中間で、走りの速い立花君はアンカーに抜擢されていた。
しかし、当日になって足を怪我してしまった子が一人出てしまって、人数合わせの為に誰かが代走しなくてはいけなかった。
その代走を、彼が自ら引き受けた。その順番は、私がバトンを渡す順番だった。
私のクラスはトップで走っていて、けれど、私と同じ走者の中には陸上部の子が。不安を抱きながらもバトンを受け取り、立花君へ少しでも早く繋げようと走っていたが……
不安は的中し、陸上部の子が後ろからぐいぐいと追いかけてくるのが背中に感じた。
引き離していた距離はあっという間に追いつかれてしまい、あと少しでバトンを渡せるという所だった。
その子が私を追い抜こうとして体がぶつかり、体勢が崩れた私は気づけば地面に手をついていた。
どくどくと嫌な動悸、焦る気持ちとは裏腹に諦めかける心、クラスの子達の落胆した声。
その時だ……『がんばれ!!』という声が、私の耳に届いた。