地味優等生→リアルシンデレラ ~みつけてください王子さま~
*
昼間の暑さも商店街の中だと和らぐ。店の前を通る時の一瞬だけ感じるクーラーの風が今は救いだ。
『うちの母ちゃんが璃子に凄い会いたがってて、お昼ご馳走したいって』
一応ご飯をご馳走するなんてと遠慮したけれど、もう決定事項らしく、時間と必ず髪を下ろして来いという指定をして電話を切られた。
でも、私の中の隠れた好奇心は顔を出していた。
だってユイちゃんのお母さんってことは、立花君の叔母にあたる人ってこと、でしょ!
ユイちゃんも立花君も整った顔をしているから、その血筋を辿れば、ユイちゃんのお母さんも……。
彼女の話では美容室でメイクアップ担当だと言っていたから、まず美人に違いない。美魔女というものだろう。
なんて、わくわくする心で集中力が途切れていたからか、商店街の人混みのせいか、後ろから現れた自転車のバンドルの先と腕をぶつけてしまっていた。
今、眼鏡をかけていないので、こういう事がないように注意していたのたが、少し痛みだす腕を押さえてぶつかってしまった相手に「すみませんっ!」と謝る。
それと同じタイミングで、自転車のブレーキが鳴った。
下げていた頭を上げると、ぼんやりと自転車から降りてこちらに向かってくる人の姿がみえて、そして……
昼間の暑さも商店街の中だと和らぐ。店の前を通る時の一瞬だけ感じるクーラーの風が今は救いだ。
『うちの母ちゃんが璃子に凄い会いたがってて、お昼ご馳走したいって』
一応ご飯をご馳走するなんてと遠慮したけれど、もう決定事項らしく、時間と必ず髪を下ろして来いという指定をして電話を切られた。
でも、私の中の隠れた好奇心は顔を出していた。
だってユイちゃんのお母さんってことは、立花君の叔母にあたる人ってこと、でしょ!
ユイちゃんも立花君も整った顔をしているから、その血筋を辿れば、ユイちゃんのお母さんも……。
彼女の話では美容室でメイクアップ担当だと言っていたから、まず美人に違いない。美魔女というものだろう。
なんて、わくわくする心で集中力が途切れていたからか、商店街の人混みのせいか、後ろから現れた自転車のバンドルの先と腕をぶつけてしまっていた。
今、眼鏡をかけていないので、こういう事がないように注意していたのたが、少し痛みだす腕を押さえてぶつかってしまった相手に「すみませんっ!」と謝る。
それと同じタイミングで、自転車のブレーキが鳴った。
下げていた頭を上げると、ぼんやりと自転車から降りてこちらに向かってくる人の姿がみえて、そして……