地味優等生→リアルシンデレラ ~みつけてください王子さま~
「この時の、立花君の気持ち、分かるような気がします」
「ん?」
写真から顔を上げて、首を傾げているユイちゃんを見る。
「私、何もかも言い訳ばかりして綺麗になる努力なんてしたことがなかった。けど、ユイちゃんがこうやって髪を綺麗にしてくれて、たったそれだけでも自分が変われたような気持ちで、前よりも鏡を見るのが嫌じゃなくなったの。まるで魔法にでもかけられたみたい……なんて」
最後の言葉は子どもっぽかったかな、と恥ずかしくなる。
「良かったじゃない、ユイ」
「いや、私は練習に付き合わせちゃっただけだから、そんな……」
耳を真っ赤に染めながら、ユイちゃんは落ち着きなく席から立ち上がり「ちょっとトイレいってくる」と、部屋から逃げるように行ってしまった。
ユイちゃんは意外と照れ屋なんだよね、といつもとのギャップに図らずも“萌える”という感情を抱いた。ギャップ萌えというやつなのか、とひとりごちていたら……
「璃子ちゃん」
万里子さんに呼ばれて顔を向ける。万里子さんはアルバムに写る二人に目をやり、優しい笑顔を浮かべていた。
「ん?」
写真から顔を上げて、首を傾げているユイちゃんを見る。
「私、何もかも言い訳ばかりして綺麗になる努力なんてしたことがなかった。けど、ユイちゃんがこうやって髪を綺麗にしてくれて、たったそれだけでも自分が変われたような気持ちで、前よりも鏡を見るのが嫌じゃなくなったの。まるで魔法にでもかけられたみたい……なんて」
最後の言葉は子どもっぽかったかな、と恥ずかしくなる。
「良かったじゃない、ユイ」
「いや、私は練習に付き合わせちゃっただけだから、そんな……」
耳を真っ赤に染めながら、ユイちゃんは落ち着きなく席から立ち上がり「ちょっとトイレいってくる」と、部屋から逃げるように行ってしまった。
ユイちゃんは意外と照れ屋なんだよね、といつもとのギャップに図らずも“萌える”という感情を抱いた。ギャップ萌えというやつなのか、とひとりごちていたら……
「璃子ちゃん」
万里子さんに呼ばれて顔を向ける。万里子さんはアルバムに写る二人に目をやり、優しい笑顔を浮かべていた。