地味優等生→リアルシンデレラ ~みつけてください王子さま~
+゚Ⅳ 夜に吹く風は素直
*
教室の窓。その四角い枠の向こう。青い青い空を背景にして入道雲が姿を現す。
涼しいというより寒いと言った方が正しいくらい、冷房がかかった教室から見るそれは違和感を感じさせる。
「夏休みなのに学校とか……はぁ」
同じクラスで美術部の原田さんが気怠けに呟いた。手にはまっピンクの絵の具がついた筆。床に寝かせた1メートル強ある立て看板へ少し乱暴な手付きでぺたぺた塗っていく。
「しょうがないじゃん、蒼井菜々みたいな上位グループが来るわけないし、そうなれば男子も来るわけないし」
同じく美術部の工藤さんも、同じくぺたぺた……。
夏休みが終わるとすぐに文化祭だ。休みの前は彼女達の言う上位グループ……クラスのリーダーである蒼井さんと取り巻き達がはりきって、出し物や当日の飾りつけなんかの話を進めていた。
けれど、お客を呼ぶための立て看板を美術部の二人に『私達、絵が下手だから』と言って任せていた。それも様々な注文で。
そして、私はクラスのみんなで着るお揃いのTシャツのデザインを任され、夏休み真っ只中に登校という訳だ。
教室の窓。その四角い枠の向こう。青い青い空を背景にして入道雲が姿を現す。
涼しいというより寒いと言った方が正しいくらい、冷房がかかった教室から見るそれは違和感を感じさせる。
「夏休みなのに学校とか……はぁ」
同じクラスで美術部の原田さんが気怠けに呟いた。手にはまっピンクの絵の具がついた筆。床に寝かせた1メートル強ある立て看板へ少し乱暴な手付きでぺたぺた塗っていく。
「しょうがないじゃん、蒼井菜々みたいな上位グループが来るわけないし、そうなれば男子も来るわけないし」
同じく美術部の工藤さんも、同じくぺたぺた……。
夏休みが終わるとすぐに文化祭だ。休みの前は彼女達の言う上位グループ……クラスのリーダーである蒼井さんと取り巻き達がはりきって、出し物や当日の飾りつけなんかの話を進めていた。
けれど、お客を呼ぶための立て看板を美術部の二人に『私達、絵が下手だから』と言って任せていた。それも様々な注文で。
そして、私はクラスのみんなで着るお揃いのTシャツのデザインを任され、夏休み真っ只中に登校という訳だ。