地味優等生→リアルシンデレラ ~みつけてください王子さま~
 旧知と言ってもいい仲だとは思っているが、まさかずばりと言い当てられるなんて思っていなくて、私は固まったまま顔が赤く茹で上がっていた。

「な、何を……っ」

「その動揺っぷりは図星だな!」

 ズビシッ……!と指をさして、それは犯人を特定する探偵さながら、おまけにどや顔。私は目をそらして、さされた指をどかす。

「へぇ!とうとう璃子に春が来たのね」

「今は夏ですよ」

「相手は?もう告白した?そんでもって付き合……」

「ストップ、ストップ!一人で暴走しないで」

 すぐこうなるんだから、と口を尖らせると、彩音はごめんと軽く受け流す。その瞳には好奇心というものがありありと見えた。

「だってさ、華の女子高生が華とならずに何になろうっていうの?璃子が蕾のままなんじゃないかと私は心配してたんだからね」

「恋って言っても一方的な、片想いだし……華の女子高生なんていうほど華やかじゃない、むしろ、地味で目立たないし」

 俯くと彩音の手が近づいてくるのが見えて、私が反応するより前に額に強烈な痛みが襲った。
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