地味優等生→リアルシンデレラ ～みつけてください王子さま～

『眼鏡ブス』

　どんな出来事よりも強烈に、そして深く埋め込まれた記憶。人は笑うだろうか？そんな単純で分かりきった言葉に囚われる私を。

「……理由があるにせよ、ないにせよ、どうするのかは璃子が決めるし、どうしたいか、どうすればいいか、璃子なら分かるだろうから、無理には聞かない。だけど」

「……？」

「私みたいに意地もプライドも一旦忘れて、ぶちまけるのも気持ちいいよ？」

　イヒヒっと悪戯に笑う彩音に私は怒りたいのに自然と口角が上がっていた。

「いつも犠牲になってる側のことも考えてくれる？」

「ごめんあそばせぇ？」

　悪びれる様子もない笑顔。

　いつも私に笑顔を届けてくれる親友。

　そりゃ、愚痴っぽいし、村川さんのことになると盲目的に暴走しちゃうけど、真っ直ぐな性格だからで、そんな彩音が実は大好きだ。

　なんて、調子に乗るから秘密だけど。

　だけど、聞いてほしい。

　私のちっぽけな痛み。

「彩音、覚えてる？私たちが小学生の頃……」