地味優等生→リアルシンデレラ ~みつけてください王子さま~
 なりたい自分……?

 私がなりたい自分は、自信があって、周りなんか気にしないで思いきりおしゃれをして……そんな自分を好きになりたい。

『可愛くなって、自分を好きになって、そしたら自然と好きな人が自分を好きになってくれる』

『立花が違う女に笑いかけてるのを、ずっと影から見ていたい?それとも……自分に笑いかけて欲しい?』

 ユイちゃんも、彩音も、私の話を真剣に聞いてくれて、変わりたい私の背中を押してくれている。

「私……頑張ってみる」

 前を向けば、彩音は大きく頷いて「頑張れ!」とガッツポーズ。私も同じポーズをする。

「それで?」

「え?」

「初恋の相手は?まさか不良?ヤンキー?いかつい見た目と裏腹に優しい心の持ち主で、地味な璃子にも優しくて?そのギャップにいちころ?」

 ねぇ、どうなの、と身を乗り出して質問ぜめにする彩音。

「あ、それか、璃子同様クラスでは目立たないけど、実はイケメンで、その秘密を璃子だけが知っていて?ああ、分かった!教師に禁断の恋をしちゃったのね!だから、私にも話せないで……」

 まったく、また暴走して。

 もう、勝手にして。

 止まらない妄想話に、暫く付き合うことにした。
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