地味優等生→リアルシンデレラ ~みつけてください王子さま~
*
電車が駅に着いた頃にはもう夕日は沈んでいたが、群青色をした空に橙色だけを残していた。
帰路につく人でごった返す合間を、急ぎ足ですり抜けて改札を通り、駅前のロータリーに出る階段を駆け下りていく。
そして、その先に居る人の姿を見つけた。逸る気持ちと、鼓動の速さ。私に気づいて笑顔で手を振ってくれる彼の元へ、少しでも早く行きたい。
だけど、急かした私の足がリズムを崩して、あと少しという所で段差を踏み外す。あっと言う間もなく体が不安定になって崩れ落ち……たかのように思ったけれど、地面に付くより前に何かにしがみついていて、温もりが体を包む。
不思議に思って、瞑っていた目を恐る恐る開ける。すると……
「あっぶねぇ……良かった、大丈夫?」
すぐ間近に洸君の顔があって、そこで彼に抱きついている体勢だったことに気づく。
「ごめんなさいっ!?」
しがみついていた腕を離して、距離を取ろうとする私。だけど、背中に回された手がそれを拒むように離れない。
電車が駅に着いた頃にはもう夕日は沈んでいたが、群青色をした空に橙色だけを残していた。
帰路につく人でごった返す合間を、急ぎ足ですり抜けて改札を通り、駅前のロータリーに出る階段を駆け下りていく。
そして、その先に居る人の姿を見つけた。逸る気持ちと、鼓動の速さ。私に気づいて笑顔で手を振ってくれる彼の元へ、少しでも早く行きたい。
だけど、急かした私の足がリズムを崩して、あと少しという所で段差を踏み外す。あっと言う間もなく体が不安定になって崩れ落ち……たかのように思ったけれど、地面に付くより前に何かにしがみついていて、温もりが体を包む。
不思議に思って、瞑っていた目を恐る恐る開ける。すると……
「あっぶねぇ……良かった、大丈夫?」
すぐ間近に洸君の顔があって、そこで彼に抱きついている体勢だったことに気づく。
「ごめんなさいっ!?」
しがみついていた腕を離して、距離を取ろうとする私。だけど、背中に回された手がそれを拒むように離れない。