地味優等生→リアルシンデレラ ~みつけてください王子さま~
 触れた場所がすごく熱い。至近距離から見つめられて、上がる息が苦しい。

 心臓の音が外に漏れ出ているように感じて、顔中が赤くなっているのが分かる。

「……洸、君?」

「ぇ……?あっ、ごめん!」

 ぱっと離された手。洸君は慌てたように背中を向けて、頭の後ろを掻いている。

『その呼び出しって……』

 “告白”

 彩音と別れる前に言われた言葉を思い出して、私はそれをかき消すよう首をぶんぶん振る。

 落ち着くの、落ち着いて、冷静に。

「璃子ちゃん」

「っひゃい!?」

 言い聞かせたそばから動揺して、恥ずかしくて顔が上げられない。すると、上からくすくす笑う声が聞こえた。

「そんなに可愛い反応しないで」

「え?」

 洸君を見上げる。優しい笑顔の彼に、また恥ずかしくなる。私だけが意識して、舞い上がっているみたいで。

「じゃ、行こっか」

「う、うん」
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