いつかウェディングベル

そして肝心な透にも事の真相は伝える必要があるわね。


私の話を聞いて驚きなさいよ。


そして、私に感謝してよね。


こんな思い出深い体験が出来るなんて一生に一度あるかないかよ。


「『通販Webサイトのトップページで専務とツーショット撮影があなたを待っています♪』って、キャッチコピーしたら皆の意欲満点よ♪」


にっこり微笑んで透に言ってみた。


「な?! な・・・・な?」


やっぱり動揺した透。 思った通りの反応だった。


それもちょっと期待外れで面白くないなぁ。


「んもう~ 私もさっそく応募しちゃったわよ!」


頬をピンクに染めて蟹江さんがそう言うと、隣で坂田さんも楽しそうにしていた。


「私もですよ! 販売部門なんか女子社員全員応募したそうですよ。」


「あら、秘書課だってみんな必死だったわよ。」


このまま放置したら坂田さんと蟹江さんのガールズトークが続きそう・・・


「専務とのツーショットって皆食いつくのよね。人気者なのね。」


専務が女子社員に人気があるとは以前から知っていた。


まさか、その専務が透と知ったのは最近のことだけど。


でも、専務が透と聴けば専務が人気者なのも納得してしまう。


かくいう私も透に長年思いを寄せた一人だから。


「俺はそんなのやらないぞ!! 勝手になんてことしてくれたんだ!」


まあ、怒るのは想定内のことだから問題ないわ。


それにね、今更怒っても遅いのよ、透。


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