いつかウェディングベル
翌日、久しぶりにのんびりと過ごした俺達は一日中ベッドから出ることなく二人でいろんな話をしていた。
結婚式について知りたいことはあったけれど、当日のお楽しみだからと俺は何も聞かなかった。
けれど、結婚式が終わったら俺も役員の一人なのだから経営の手伝いをしたいと加奈子を説得しようと思った。
すると、説得することなく手伝って欲しいと加奈子から言ってくれた。
その言葉を待っていた俺は嬉しくてますます加奈子をベッドに縛りつけていた。
「ねえ、今日一日中私達ベッドにいるわよ。」
「こんな日はこの先滅多にはないだろうから、思いっきりのんびり過ごしてもいいんじゃないのか?」
「確かに、そうだけど・・・でも、暇じゃない?」
「そんなことないよ。いろんな話はできるしキスだってできる。俺にとっては楽しい時間だよ。」
暇だと言う加奈子にしっかりキスし退屈させないようにするのは楽しかった。
こんなに心落ち着けて二人で会話ができるなんてこれまであっただろうかと思ってしまう。
こんな時間を持つのはこれから先難しいだろうが、でも、夫婦にはゆっくり会話する時間も大事なのだと分かった。
だから、加奈子と幸せな家庭を築くのに俺は加奈子との時間を大切にする。
「加奈子、結婚式が終わったらハネムーンへ行かないか?」
「ええっ? この前行ったじゃない。」
「あれは婚前旅行。今度のは本当の新婚旅行だよ。今度こそハネムーンベビー欲しくないかい?」
「うん、欲しい。」
じゃあ、決まりだ。
周りが何を言おうが俺と加奈子は甘くて蕩けるような二人だけの旅行へ行ってくる。
そうと決まれば明日の結婚式が楽しみだ。