穴妙抄
キャバ嬢 ちひろ
俺がその店を知ったのは駅前で配られたボケットティッシュだった

ティッシュの薄い透明な袋の折り返しに入っていたサービス券が俺をここに誘った


サービス価格はごく普通の値段だったが
券の裏の写真に俺の目は釘付けになった

そこにはガードルをつけて、
申し訳程度のTバックを身につけた女の下半身、

もっと具体的に言えば後ろ姿の腰から膝。。。

俺はかねがね
女の善し悪しは腰から太股のラインで決まると思っていた

尻の美醜は意見の分かれるところだろう

どんなに顔が美しくても
腰が薄く、尻が張り出していないのでは
本当の美人とは言えない

しかし
その写真の女は完璧なラインを持っていた


建物の前ではハチマキ・ハッピを着たボーイが宝くじでも当たったかのような満面の笑みで俺にすり寄ってきた
「社長!キャバクラ、いかがっすか!可愛い子そろえてますよ」
俺は左頬だけ動かして、一番凄みのある微笑みを返した
「いやぁ、社長!渋いねぇ。その流し目なら、うちの女の子なんかイチコロだ」
「ボーイさん、ヨイショがうまいね」
「とんでもない!あたしゃ嘘なんかつきませんよ」
「じゃ、正直者のお兄さんに教えてほしいことがあるんだけど」
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